好きって言ってよ、ばか。

ガアアンッ!!


……という衝撃が私を襲った。

「痛、ぁ……」

いや、実際にはそんな音はしていないと思うけど、私にはそう聞こえた。

「きゃあぁ!!」
「大丈夫明梨ちゃん!?」
「市川さん!!」

みんなの声が遠い……

てかもう思考が真っ白で、なにが起こったのか分からない。

生理的に涙が出てきて、ヤバイと俯いた瞬間、床が紅くなった。

……、

………鼻血!?


「ごめん大丈夫!?投げたの俺なんだけど…っ」


聞き覚えのない声がして、滲む視界のまま見上げると、


さっき知ったばかりの伊織くん(?)がひどく焦った顔でこちらを覗き込んでいた。

「あ、や、だいじょぶ…」

でも待って、鼻血が、、

周りがざわめいている。

じわっと視界が滲んだ。


恥ずかしい、どうしよう……!!



「明梨」



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