好きって言ってよ、ばか。

「うるさい……、私のせいで風邪引かれたら目覚め悪いでしょ」

「…なんか優しい」

「……優しく、ないよ……」

きっとそれは、隣に律がいるから。

律自身が、優しいからさ。
周りも感化されるんだよ。

「……明梨と一緒に帰るの初めてじゃない？」

「初めてだね…」

「明梨はいつも川崎と帰ってるもんね。仲いいんだ」

「私なんかが一緒にいるのおかしいって思う？」

「なんで？」

「優妃は可愛くて美人だけど、私はそうじゃないからさ」

「そんな自虐しなくても」

「律だって、優妃のこと可愛いと思うでしょ？」


勢いのままに聞いてしまった。

唸る律をじいっと見つめる。

うーん、即答ではないんだな。
好きな人に顔関係ないヒトなんだろうか。

「川崎は、まあ、、一般的に見ると美人な部類に入るのかな？」

「かな？じゃないよ…男子ってそういう話しないの？」

「や…俺はあんまり……」

そうなんだ。
女子とは違うんだな。

「明梨の方が可愛くない？」

「……？あ、他のクラスにあかりって子がいるの？」

「いや、お前のことだけど」

「・・・・・」


完全に私の思考は停止した。