好きって言ってよ、ばか。
「……は?私が可愛いって言ったの?」

「うん…」

「優妃よりも?」

「うん……」

どんどん真っ赤になってくのやめてくれない?
こっちが照れるんだけど???

「あんた、目おかしいんじゃ……」

心配になってきた。

私は、よく携帯小説にいるような無自覚天然美少女ではない。
自分の顔面偏差値くらいちゃんと理解しているつもりだ。

「そうかなぁ……眼科行こうかな……」

「いや、真面目に返してくんのやめて」

顔を覆う律にとりあえず突っ込んでおきながら、私自身も熱くなった頰を押さえる。

なんなの、この女殺しは。

そのうち、こんなこと女子誰にでも言うようになるに違いない。

恐ろしい子・・・。


『……駅です。ドアが開きます』


プシュー、という音と共に開いたドアから揃って出る。

ホームを出ると。

「あ、雨止んでる」

「ホントだ。やった、俺もう濡れずに済む」

「根に持ってんじゃん!次はもっと近づこうと思ってたもん!」

「意識してたんでしょ?」


・・・え!?


「明梨、俺と肩当たるたびにビクってしながらちょっとずつ離れてくんだもん。面白かった」

〜〜〜〜〜!!


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