好きって言ってよ、ばか。
そ、そんなんじゃないんだって……!

私が律のこと意識するとか、ありえないんだから!

「はぁ〜・・・」

大きなため息をついて、今度はテレビをつけてみる。


『今週の木曜ロードショーは!『帰ってきた貞子』です!22時からお見逃しなく!』


「え、やったあ!」

思わず洗い物の手を止めて、テレビに釘付けになる。

何を隠そう、私はこういうホラー映画大好き民なのだ。

あとで、律と一緒に観よーっと。
そう思ってとりあえずテレビを消す。

律ってこういうの得意だっけ、忘れたけど男子だし多分平気だと思う。

多分。


がちゃんと最後の食器を閉まって、手を拭く。

さて、どうしようかな…。


手持ち無沙汰でウロウロしていると、何かの音が聞こえて来たので耳を澄ましてみる。



ザー………。



「・・・・・」

その音が止まって、ハッとした。
思わず聴き入っちゃったけど、さっきのあれじゃん、シャワーの音だよね?

ええ、なんか背徳感……。
何かに目覚めそう……。



「あかりー」



え、は、なんだ!?

呼ばれた今!?

律に!?


「はーい!?」

なんだなんだ、緊急事態かな!?
お風呂に入ってる時に女の子を呼ぶとか、結構勇気いることよね、普通!?
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