好きって言ってよ、ばか。
お風呂場の扉の前で立ち止まる。

いや、さすがに開けるわけには…。

てか磨りガラスでかなりドキドキするんだけど。

お前、いいのか?
体裁大丈夫??

「なぁに?」

出来るだけ平静を装って声をかける。

「あ、ごめんね。あのさぁ、」

少しくぐもって響く律の声。

「うん」


ドキドキドキ…。


「リンス無くなったから新しいの出してくれる?」


・・・。

・・・・・リンス!?

「は、リンス?コンディショナー?トリートメント?」

「それ全部微妙に意味違うんだってね」


いや、そんなツッコミは求めてないの。


「1日くらい我慢できなかったの!?女子か!!」

「だって髪キシキシしない?」


そんな私情は知らんっ。

「はー……」

なによ、構えちゃって馬鹿みたい。
相手は律なんだった。

「わかったよ、どれ?」

棚を開ける。
中にはいろいろ入っててよくわからない。

「えっとねぇ、多分白いやつ」

「ごめん、大半白い」

どれだ?
これか…ってこれ洗剤だった。

「メンズーって大っきく書いてあるよ」

「めんず〜・・・」

おうむ返ししながら探していると、見つけた。







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