好きって言ってよ、ばか。
廊下に出る。

なんでかため息が零れた。

…どーしたのかな私、最近変だ。


スマホをチラ見すると、なぜだか優妃から大量のラインが来ていた。

とりあえず後でいいかと、さりげなく未読スルーをして、自分の下着を用意する。


「♬〜〜」

鼻歌を歌いながら階段を下りていくと、ちょうど律がバスルームから出てきたところだった。

「私入ってくるね?」

「うん」

ちょ、直視できない…。

濡れた髪から雫がちょっと垂れてて、それをタオルで拭ってて、ちょっとえっちぃからちゃんとドライヤーしろよっていや私が入るから急いでくれたのか……

などという羅列思考を無理やり押さえ込み、浴室へと急ぐと。

なにかが落ちた。


パンツ。


私と律の目線がその一点に集まる。

時間は、停止した。

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