好きって言ってよ、ばか。
それは、前に優妃とショッピングに行った時のこと。

たまたま下着屋さんを通りかかって、なぜか優妃が“私に似合う下着”をセレクトし始めて。

っていうのも冗談交じりで、ふざけながら見ていたら、定員さんが現れて、断りきれずになぜか購入……という流れが走馬灯のように駆け巡った。


ピンク色で、フリフリで、紐で、ド派手な、


まるで勝負用パンツ。


「あ、はははは!!」


光速でそれを拾い上げて、背中に隠す。

汗がダラダラと流れる。
やばいってこれ。

赤い顔で突っ立っている律を見つめて、私も棒立ち。

律の考えていることが分かる。


え、明梨ってこんな下着履くんだ……何に気合を入れてるんだろう……見せたい奴でもいるのかな……

結構被害妄想入ってるけど。

「あ〜〜〜、、、」

「ごめん変なの見せて!何でもないからっ!!」

律の顔をそれ以上見ることなく、バスルームに入ってドアをバンッ!!と閉める。

顔が熱い。

なんでなんでなんで!!
まずなんで私あんな下着買っちゃったんだろう!!

「恥ずかしい〜……」

ドアに背を預けてずるずると頽れる。

もう、どんな顔をしていいのかわからん……。
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