好きって言ってよ、ばか。
「えっ、男子のくせに!!」

あかん、心の声がダダ漏れてしまった。
明らかにむっとした様子の律。

「そういうの性差別って言うんだよ」

「ええ〜!?もし彼女がお化け屋敷入りた〜い♡みたいなこと言っても、いや俺怖いから〜みたいな理由で断るの!?だっさ!!」

「うるさい、明梨だって暗いの苦手だからお化け屋敷無理だろ」

「ごもっともだけどさ」

そんな風にくだらない会話をしているうちに、あと3分。

「え〜お願いだよ律〜!こういうのは一緒に観るから楽しいの、ねっ?」

「そんなの知らない、一人で勝手に観てて。俺は部屋に戻る。以上」

「ええ、そんなぁ〜!」


・・・あ。

「分かった律、今一緒に貞子見てくれたら、何でもひとつお願い聞いてあげる」

あと1分、早く待機しないと。


「……なんでも?」

「うん。ね、一緒に観よう」


適当に言った自分の言葉で、彼がどんな顔をしているのか、見てなかったんだ。

テレビに夢中な私の横で、律は何か考えるようにじっと私を見つめていた……。

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