【短編】サクラ色の貝殻をきみにあげる



「…夏目くんと莉奈ちゃんと三宅くんって、仲良いよね」
「ああ、小学校から一緒らしいよ」



友達とお昼ご飯を食べながら、なんとなく、さりげなく、何も気にしてないみたいに話題を振ってみる。
友達も特に気にしていない様子で、ただの世間話みたいに答えてくれた。



なるほど、幼馴染みたいなものなのか。


同じクラスの夏目くんと莉奈ちゃん。それから隣のクラスの三宅くんは男女にも関わらずよく一緒に帰ったり、ご飯を食べたりしている。



「莉奈ちゃんと三宅くんは付き合ってるんだって」

「…うん、らしいね」



いいよねー、三宅くん格好いいし。なんて続ける友達に、そうだね、と空返事で頷く。



「夏目くんは彼女いるのかな?夏目くんもちょっとうるさいけど面白くて格好いいし、私、夏目くんでもいいなぁ」


そう冗談交じりに笑う友達が「太陽みたいな人だよね」と言うから、へらりと笑って見せた。

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