甘おと。
歓声につられて後ろを向こうとすると、


「よっす!」


声をかけられた。


「おはよ」

「真由見てほら今日も朝からイケメンだよ!王子!」

「そうだねー」


彼女は、幼なじみであり、親友であり、家族である綾波七海だ。ご覧の通り、ただの面食いである。


「え!?ね!ね!今!こっち見た!!」

「そっか」


今は星高一のイケメンの竜川敬が好きらしい。彼はそのルックスと性格から王子と呼ばれている。


確かにイケメンだけど、正直そんなに興味ない。
なんか、違う……

多分、ただ単に私の好みじゃないだけ。でも、それだと私の理想が高いみたい……


「ね、そろそろ教室行こ?」

「え、やだまだ王子見てたい」

「じゃあ先行っとくね」

「やだ待って一緒にあと3……10秒!!待って!!」

「はいはい」


そして、約束通り10秒待ってから教室へ向かった。
その間七海がずっと後ろ向いて歩いてて怖かった……
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