甘おと。
「まままままま真由!?は、はなっおっ」

「鼻緒?どうした?」

「おおお王子がっ」


周りを見ると少し妬みの交じった目線。
まあ、王子自ら話しかけるとか珍しいからな。


「何話したの?」

「えっとね!」

「ちぃーすぅ……」

「うわ滝来た後で話そね!!」


まさに通り雨。
大分興奮してんな。





そして朝礼が始まった。


担任の滝先生は、とにかく覇気がない。でもそこが結構好きだったりする。

元気はないけどちゃんと皆のこと見てて、色んな生徒から舐められてたり慕われてたり…とりあえずいい先生だ。





朝礼が終わった瞬間、七海が走って来た。


「滝の話は短くていいね!!」

「そうだね」

「あ、で!王子がね!」


耳貸して、と言われたので顔を傾ける。


「『君ここのクラス?』だって!!キャー!」


一目惚れされたかな?とか言ってる七海にテンションがついていけない。いつもの事だけど。


「話せて良かったね」

「うん!!近かった!!イケメンだった!!いい匂いした!!やばい!!」


先生が来たので話は中断。


1限目は数学だ。
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