👑Emperor bride

アルバート侯爵のコイ。

断ったが伯爵のお屋敷へと馬に乗
せられ連れて行かれた。

少し熱もあったので熱冷ましを
貰って飲んだ。

「旦那様ソロソロ始まりますよ。」

伯爵の広いリビングで、お茶を
頂いていたら一人の下僕の方が
知らせて来た

下々の人達からも気軽に声掛け
されるほどアルバート伯爵は
気さくで、いい人っぽかった。

それに干し草の上で、寝てた私にも
何も聞かず優しくしてくれる。


「ああ、そうだな。チャンクの奴
　　　とうとう結婚か！」

琴乃がキョトンとしていると

「ああ、隣の王太子の婚約者が
お国入りしたんだよ。
　ＴＶ中継があるから見よう。
　大丈夫か？身体きついか？
寝るか？」

「あ、ううん大丈夫！ですが‥
　殿下と‥はどう言う御関係？‥
　　　　　　　ですか？」
　

大きなスクリーンが空港に向かう
チャンクを写し出していた。

　「ああ、昔からの学友だよ。」

ああ、「そうなんだ。」

上下の藍色のスーツを着こなし
ウエットなシヨートへアのチ
ャンクは凄くカッコイイ。

と思う半面、
やはり自分の事は妾と思って
どうでもいい存在だったと思い
知らされた。

昨日の今日なのに琴乃の事は、
スッカリ抜け落ち、心配する
カケラも見当たらない。
彼は通し上機嫌の様子。


突然居なくなった自分を血眼に
なって探してくれてるとでも思っ
てたのか･･･💦
自惚れていた自分に水を掛けられた
ようなそれでちゃんと目が覚めた
気がする。

余計熱が高くなりそう。
丁度いいや、お互い愛情が残るより、このまま別れたがいい。
ＴＶ中継を見ながら小さな決心が
生れた。

客人との扱いで伯爵の屋敷にお世話になっているがソロソロおいとませねばなるまい。
何故なら屋敷中の人が興味有り気に私を気にしている。
耳をすますと‥

「何処のご令嬢？」


　「干し草の上で寝てたんだっ
　　　　　　　　て！」

「あれは旦那様狙いじゃない？
　わざと寝てたのよ、きっと!」


「まあ!!図々しい！あの作務衣見れば分かるわよ。旦那様いい人だから騙されてるのよ。」


アルバート伯爵は27歳
伯爵もソロソロ婚姻をしてもおか
しくない、いやいやでも、私は狙っておりません。

冷たい視線は気のせいではなく
間違いなく琴乃に投げられたもの
だった。

はてさて女の嫉妬ほど恐ろしい
モノは無い。

小さな失敗も怒り任せで攻撃して
くる。
立ち直れないような一言も直刀に
投げかけ鬱になる程きつい言葉で
えぐり回す。

何の心配やら....
あんたらには旦那様でも通り
すがりのアテクシにはただの人
デシカラー

使用人にとってはおっかなびっくり！人を　こ、ろ、酢、にゃ刃物は入らぬ‥云々
言葉は刃物より深く確実に4へと
道標をかかげる。
虐めかいな‼

嗚呼～怖い!
こういう所はサッサとお暇する
に限る。何が哀しくて居座るかいな。

ＴＶ中継はまだ続いており
チャンクと合わせたように藍色の
薄いドレスで胸元が白とピンクと
藍色の小さなアメリカンブルーの
ような可愛らしいレースが散りばめていた。

私の着ている作務衣も藍色。
そう藍色は殿下の好きな色。
ミリアン皇女も彼の好きな色を知っていたんだ。

「何だ、ただのデートなら忍びで
　くればいいのにな！
後で電話して冷やかしてやる。」
アルバート伯爵はノリノリでﾆｬﾘ　

山の中に、携帯落としたのが今更
悔やまれる。

狩りにでるまえチャンクにわた
されていた、チャンクの番号だけ
が入っていた。

たしかチャンクとお揃の、毛皮を
脱いだ時は有った気がする。

ならば落としたのはその後だ。