👑Emperor bride

「じゃあカワンお前が俺を幸せに
　してくれ、噂は噂ではない。
　昔からカワンが好きだった。」



「ヨンスン！私は親を知らない。
　あなたの親だって反対する。
　あなたが幸せになれるはずが
無いわよ。

　私はどこの馬の骨かも解らない。
　恐ろしい血がながれてるも、
知れない。
　ましてや私が、何をしていたか
　あなたに言えないのよ。

　だから…ムリよ。」


「嫁になるのが嫌ならそれでいい。
　一緒に三人でいたい‥駄目かい。」

「施設にボランティアで、
お前をみた日から
　ずっと好きだった。

　お前が居なくなってずっと
探していた。
　そして探し当てたときは、
お前が笑っていたから諦めたんだ。

　お前は幸せそうだったから。
帰って来るまで待つ決心をした。
　やっと、帰ったんだろう。」


「いいのヨンスン、わたしは…。」


「言わなくていい。
　お前が何者であろうと、カワンだ ろ。」

「ヨンスン、ヨ、ヨンスン。」

「いいね。俺たちは夫婦だ。」

ヨンスンはカワンを抱きしめた。
長い長い間、お互いを必要と
しながらむくわれなかった、
あふれる愛情がやっと
繋がった夜だった。


　　　　　「そうね…昔から
　　　　　　夫婦だよ‥ね。」


それから一年して殿下の友人の
募集があった。
忠誠を誓い、殿下の足となり
手となり競い合い、高めあう友人。
筆記試験で上位である事、
武術が優れていること。

筆記試験ではエドワードは１位だった。

武術は一年間の猶予があった。

しかし
武術の心得がなく、困った
ヨンスンは城の護衛兵の友人に
頼み込み一年かけて鍛えてもらった。
最初は泣いて帰ってきたが
そのうち頭角を表しメキメキと
腕を上げた。

乗馬はエドワードの父君の指導が
良かったのだろう。
完璧に乗りこなしていた。

城勤めのヨンスンには護衛兵と
仲が良かった、ヨンスンは彼らに
頼み込みエドワードに剣術を習わ
せた、毎日毎晩エドワードは弱音
を吐かず耐えに耐え鍛え上げた。

護衛兵の推薦でエドワードは
同じ年頃の男の子達と試合をし、
見事全員を負かした。

翌月から城にあがり、チャンクと
同じ待遇で過ごす事になった。


これこそ、カワンが望んだ最高の
教育!!
殿下と同じ教育を受けるのだ、
カワンは、飛び上がって喜んだ。

エドワードが城にあがり寂しく
なったがこれで旦那様、奥様に
顔向けが出来ると
長く背負って来た肩の荷が落ちた
気がした。

後はご立派になられるよう、
支える決心をした。



チャンクとエドワード
二人は気が合い仲良くなり
親友とも兄弟とも超える存在に
なっていった。

エドワードがナチリコ国の侯爵の
息子エドワード、デイビイーズ
と名乗ったのはチャンクが、
17歳命を狙われ始めた頃だった。
その頃からチャンクは時折女の子を連れ回す用になった。

そして毒菓子をその子が食べた
ことから女の子を守る為だろう、
犯人探しを始め
内乱がおき、エドワードや三人衆の働きで事なきを終えた。



不思議な事にそれ以来彼女を
みたものはいなかった。

どこの誰だったのかチャンクも
誰にも教えてくれなかった
そのうちそのうちでそんな事もあったかと時折思い出すぐりいに
なっていた。