👑Emperor bride


冬には恒例の花火大会が催される。
四千発の花火がラドラル湖で
打上られる。
花火師は世界に何人かしか
いないのでそれもマノリラ国にだけ在住している。

各国から見物客がおしよせる事
このイベントが国を豊かにしている。

人手が足りないので護衛兵から
10人騎馬隊から10人
各種部隊から必要人物が集められる。

その会議が夜通し行なわれていた。



そんな頃、興信所からの連絡で
ベロベロに酔ったミリアン皇女を
発見し、男と遊ぶ様子を
録画に納めたと報告を受けた。


まるで遊女のような姿に全員が
圧倒された。

マノリラ国の国営放送で流され
ベロベロに酔ったミリアン皇女が
カメラに食ってかかる様子も
配信されていた。


この様子は男も何人も
写っていたので、ミリアン皇女の
交友関係が、炙り出され
ブラダマ国の配下の者もおり暫く
婚儀は延期とされた。

そうマノリラ国の一番北側、
チャンクが、静養と言い療養を
かねて探索した
鉱山の発見されたサンイリアーナ地方

そこにブラダマ国出身の多くが、
移住してきている。

前捕まえたアルフレッドも
ブラダマ国の
密偵だった。

いまは、メリディアン国との
国境線を守っている。
密偵と言う仕事をしたものは
裏切られない限り忠誠をまもる。
アルフレッドは裏切りにより
契約を切りチャンクと新たな契約を結んだその、アルフレッドの配下の者が見つけ報告書は
アルフレッドにより書かれ
上がって来た。

アルフレッドの働きで、
今国境線沿いは
土地も潤い業績も上がってきた。
子供も最近生まれ順調のようだ。

ブラダマ国が、北よりだから
アルフレッドは南に置いた。
ブラダマ国と接触がないように。

しかしブラダマ国の事を探って
くれて居たようで色々と情報が
流れてきた。

ブラダマ国の王子ラミハルと
ミリアン皇女がただならぬ仲
であったことや

ラミハルは先の王ハリーを暗殺し
妻、側室諸共闇に葬り去った
話を聞いた。


あくまでも裏の話で
表向きは病死、妻、側室は後追い
をしたといわれている。
色々情報を知らせてくる。


流された報道の中に
ラミハルの姿があった。
鉱山の一件にミリアン皇女も
かかわっているとしたら…。

グランバーリン国サムソン王が
ブラダマ国と結託し、
国の乗っ取りを企てているのかも
しれない。

ならば、まだ婚約破棄は
得策ではない。泳がせて色々…。

チャンクはニンマリ
不気味な笑いを浮かべ
窓の外に広がる鱗雲を見ていた。

暑さも少しゆるみまだまだ
残暑きびいしい頃だった。


「馬を引け!!
 アルフレッドを訪ねる。
 エドワード、三人衆と私につづけ!! 」


黒い立派な馬が並びチャンクを
先頭に馬の嘶きと同時に
一頭叉一頭
黒煙を上げながら城を出て行った。
ドウッ、ドウッ、たずなの音も潔く
高い空に響き渡った。
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