👑Emperor bride
チャンクは黙って聞いていたが
カワンに話はじめた。
「実は北の地サンイリアーナでそのネックレスをした女に合ったのだ、酒場に働いていて
なかなかの美人だった。
三人衆のジンに探って貰ったのだがある日ポッンと現れ
住み着いたそうだ。」
「明藺様のような気が致します。
このことをエドワード様は?」
「話したかもしれぬが
名前までは知らなかったし
今となれば琴乃の生死も判明
したしその事は、もうどうでも 良かったのだ。」
「明藺の顔を知っているのは
張蘭とカワンだけだ、明日
連れて行く。
よいか?」
「明日は殿下と若様と私とで
参りましょう。
どんな様子か見てみませんと、
まだ張蘭は人を怖がりますし
…。」
「よし、じゃあ三人衆とエドワードとカワンで行こう。
明日、迎えに来るから早朝より
出立だ。
別荘で、会議だ。
今危ない土地だから気を付けよう
いいな。」
そうあ言うと残りの紅茶をグイッ
と飲み干し
「うまかったぞ!! 」
とサッサと帰っていった。
その様子を窓から見ていた琴乃は
少し不満げな顔をしながら山を
下りるチャンクを見送り、チッと舌打ちをした。
それを見ていた張蘭も
チッチッチッと
舌打ちの練習をし始めた。
張蘭を見ながら
「あ~ヤバい!直ぐ覚えるん
だから…。」
あんまり張蘭の前では明るさまに
悪口や、態度には気をつけよう
と思った子供は所構わず
やり始める。
「張蘭
舌打ちは人の居ない所で
やるものよ。
わかった?」
張蘭は黒い天使の輪がかかった
短い髪を、パサパサゆらしながら
コクコクと頷き、
成る程~みたいにチッチッチッ
口をとがらせながら、そうなのかぁみたいな顔をした。チッチッチッ
その動作が可愛すぎて...
小さい張蘭とっても可愛い
ウゲウゲ言うほど抱き締めた。
顔をグリグリほっぺでこすると
少し乾いた張蘭のほっぺが叉可愛い。
カワンさんが柚の種で作った
クリームを軽く塗りつけると
ツルツルしたほっぺになった。
「張蘭女の子だからクリームも
塗っていいんだよ。
可愛くなっていいんだよ。
スカートもはいて良いんだよ。」
張蘭は嬉しかったのか
「ヤッターヤッター」
と、飛び跳ねて喜んだ。
城に帰ると1000はある部屋の
窓からオレンジ色の明かりが
硝子細工のようにもれていた。
木々も少しずつ色や、実をつけ
街灯が小道を照らしていた。
馬番が馬を受け取り引いていった。
チャンクは今更ながらこの光景を
眺め仕事を終え帰る役人や兵士達!
メイドや厨房のスタッフ
「私だけの城ではない。
皆、家族を養っておるのだな!」
そう呟きながら
歩いていた。