👑Emperor bride
「貴方はチャンクの彼女さん。
一度お店に来られましたよね。」


「あ、あ、ふふふ
あの日は、殿下に誘われ、
伺いました。
まさか張蘭がお世話になった所
と知らず、大変失礼しました。」

「それに2人喧嘩されてて、
取り付く島もありませんでした。」
明蘭は、見たままを話た。

あ‼「そうでした、そうでした。」
あの時は失礼しました。」

「ママ、琴乃は、殿下に前から
厳しいんだよ。」

チコとバタバタ遊んでいた張蘭が
大きな声で暴露した。


「そうなの?厳しいの?
安心して‼私には夫がいます。
悪いけど殿下のような若い方は
好みじゃないの‼
落ち着いていて、静かに判断する夫が大好きなの!」

張蘭は、母親の言葉をニコニコ
して聞いてい た。

「へえ〜‼明蘭さんに、
そんなに惚れられた
旦那様に合ってみたいな?
いつ、戻られます?」


出された🍰にフォクーを通しながら聞いた。

明蘭は、コーヒーを差し出しながら
「何処にいるか分からないの」

と呟いた。

「えーと、張蘭からは、お母さんと別れた経緯はききました。

又会えた経緯もカワンさん達から聞きました。
しかしご主人様とは、何故離れたのですか?」

「....私がエドワードの姉とはご存知?」

「ビックリしましたが
聞きました。」

「じゃあカワンとエドワードの繋
がりも、ごぞんじよね。」


「はい。それとなく
詳しいことはヨンスンさんも
知らないみたいですが、

私は何となくわかります。
剣を持てば凄く強いです。
私も何回も助けて貰って
います。」

広く空けられたサッシの外の黄色や赤のサルビアに似た花を眺め、
一杯の珈琲を口にして明蘭は
話だした。



「そう。私達はナチリコ国に
住んでいました。
父は侯爵でした。

カイン、アラバレントに滅ぼされ
両親は、....殺された。

カワンが先に私を逃してくれて、
弟を迎えにいったカワンとは
それっきり。
死んだものやら生きているのやら..

カワンは自分たちの亡骸を
何処かで見ても知らん振りをしろと今生の別れを告げられ、
決して近ずいたりしたら駄目だと
念を押され別れました。

エドワードとカワンの身を心配し
ながら月日はすぎて行きました。

私はあるお方に拾われ、
大事に育てられました。

その恩あるお方の子供が張蘭
なのです。」

「...つまりその」


「妾ではないのよ。
奥様も高齢で、お子がなく
旦那様も高齢ででも後継ぎが居なく

私に頼まれたの、体外受精。

悩んだけど大好きなおふたりの為、決心したんです。

見事妊娠したと知った時
あの男ラミハルとその父が現れ
国を滅ぼした。

奥様は私を逃し、果てられた。
この子だけは絶対産むと決心
して逃げた。

どこまでも追ってくる、
ラミハルから張蘭を救うため
わざと捕まり張蘭を逃がした
そして隙をみて私も逃げました。

有難うございます。
張蘭を助けてくれて...。」

張蘭は、チラチラ母親を見ながら
足をぶらぶらさせ
チコとケーキを、ほうばっていた。

張蘭にニッコリと微笑むと
琴乃はある点に気づいた。

カイン、アラバレントに滅ぼされ
たというフレーズだ。


「ハリー?、ハリーじゃありま
せんか?
張蘭の父は、バスブリア国王
ハリーアンダーソン?」


その名前をきいた明蘭の目が
大きく開かれ両手で口を覆った。

大きく開かれた目から、大粒の涙
が流れた。

「なぜ?なぜ?彼の名前を?」

琴乃は幽閉されていたハリーの事を
話した。
チャンクにも話してあり
多分琴乃の思い違いでなければ
ブラマダ国に、何千人の兵士を連れ攻めに行ったと思う事を告げた。

ハリーは、無事だろう。
なぜなら、マノリラ国の境界線の
中の山に洞穴を堀り、そこに牢屋
を作り生かしているからだ。

徐々に噂を流し、明蘭を捕まえる
つもりだったのだろう。

明蘭を狙ってる事は、噂で聞いて
ミリアンの事は本気では、無いと
聞いたからだ。

勿論チャンクも知っている。


「ハリー様はきっとチャンクが
連れ帰る。」
琴乃には自信があった。

明蘭は、ウンウンと頷き、
張蘭、お父様に会えるかもしれない
と張蘭を抱きしめて泣いていた。

ハッハッハッハッとチコの
息遣いが聞こえるほどその時間は静まりかえっていた。



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