👑Emperor bride
次の日朝からチャンクが現れた。

「ごめん。琴乃、実は
一週間前に帰っていた。」

「あら、お疲れー。」

寝ながらポテトチップをバリバリ
食べながら生ぬるい返事をした。

「う、うん、でな‼
話があって...な‼」

「何?カワンさんの家に帰して
くれるの?」

「エッ‼いや、そうでは無い‼
昨日母上と食事をし たそうだな?」

「ああ、したした。」

「その時母上から確認されたろう?」

「ああ、妾の話?」

「いや妾じゃ無いんだ。第2夫人‼」

「2号?ロボットじゃないし
1号、2号、3号
一緒だってばー‼」


「違う‼2号でも、私には本当の妻だ‼」

チャンクが抱き締めてきた。

「えーーいボカッ、離せ‼ガツン
本妻より先に2号に渡りをつけたら だめなんだよっ‼ボカッボカッ
言いつけるよっ、ルナ様に‼」


チャンクは、肩を落とし

「2号の件は承知してくれるんだな!
来月から塔に3ヶ月籠り
身を清める。
琴乃とは会えなくなる。」

「ボリバリボリボリは‼?はぁ〜‼
ってか私と会うのけがれる?の?
身を清めるって‼
失礼じゃない?」

「ちっ違う、そんなわけない。
しきたりの問題なんだ。」



「ふうん?しきたりねぇ〜ゞ
ロケットじゃないんだから
1号、2号 3号発射ってか?
あっ‼五号までだっけ?」

チャンクは慌てて
「2号迄しか娶らぬ‼」
と強く言った。

「あーあそうですか?
台風みたいに1号、2号、3号
呼び方一緒だね。」

あんまり責めたからか
チャンクは軽く髪にキスをして
部屋から出ていった。


「チッ‼浮気ヤローの嘘つきヤロー。」

「ボリバリボリボリ?あれ!ん?
これポテチだよね。」

あああー‼カ〇ビーの
ポテトチップスって、
Japanese語で書いてあるっ‼

ベッドの下にはチコが食い荒し
たようなお菓子が散乱していた。

「なんで?日本のお菓子が有るの?」

チコ、チコ、チコ
琴乃は、チコを探して庭にでた。

チコ?チコー。

すると呼ぶ声を聞き城の物置
みたいな小屋からチコが飛び出し
て来た。

「チコーどこウロウロしてたの?」

ふと目の前にみえる小さな
物置小屋に、琴乃は誘われるよう
にはいって行った。

余興に使うのか色んな飾りや置物
人形、変身道具がこれでもかと
整理されておいてある。
ずっと奥に進むと姿見の鏡が
置いてあった。


1枚カーブを描いた鏡が置いてあり
遠い昔チャンクと別れる時泣き
ながら鏡を割った事を思い出した。

確かこうやって入るんだよね。
昔を思い出して手を当てると
ポニョっ、

「あれ?これってまさか?」
体を丸めて全身入って
みた...ら、入れた。


その鏡の中は
あの日の車のなか。
そうだコンビニで、山のようにお菓子を買い
後ろの席に置きっぱだった。
窓をあけ、あたりを見回す。
車はクーラがきいている。

時間が止まってるのか
時間の流れの差なのか?

薄く貼られた姿見が辛うじて
車に刺さったように見えていた。

又来たところから中に入る。
やはり中は、物置だ。

ある水色のタヌキ?
じやない猫の話が脳を過る。
タッタ、タタ━━━━━ター

どこでもド〇‼

琴乃は、鏡にその辺にかけてある
布をかぶせた。
まだ帰るには早すぎる。

何処でもミラーの存在は隠さねば。








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