星空の下、君に恋をして。
でも、周りは一斉にどよめいた。

「嘘だろ…?」

「えっ、じゃあ終試の平均…」

急に騒ぎ出すクラスメイト達。

その中に聞きなれない単語を見つけて、私は理乃に尋ねた。

「ねぇ、終試って何?」

理乃はざわめきの中、嬉しそうに説明してくれた。

「3月にある、『学年末筆記実技総合成績決定最終試験』の通称だよ!その終試のクラス平均が430点を超えると、A組はイタリアに行けることになるの!でも、430点って厳しいんだ、毎年…」

あ、思い出した。

行事予定表を見たときに難しそうだと思ったテストの名前だ。

それにしても、430点以上は凄いな…

人事のようにそう思っていると、英語の先生がやってきた。

「みんなね、葉月さんが入ってくる前の平均は428,8点よ。葉月さんに感謝しなさい。」

『…え?』

一気に静まった教室。

そして私に視線が集まる。

私としては、この先生話聞いてたんだ、という感じだったんだけど。

「…先生、葉月さんの編入試験って何点だったんですか…?」

恐る恐る、如月くんが尋ねる。

先生は、私をチラリと見てから言った。

「498点よ。」

「!?」

これには私も驚いた。
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