星空の下、君に恋をして。
クラスの中で一気に押し殺した悲鳴が上がった。

「では皆さん…」

先生は変わらない笑顔のまま、話を続ける。

「テストは、初めて会った人に対する自己紹介です。挨拶から始め、簡単な自己紹介をしてもらいます。それまでに準備をしておいて下さい。」

『はい！』

自己紹介くらいなら、とクラス内の空気が変わった。

先生も少し頬を緩めて口を開く。

「テストは、明日行います。今日学んだことを忘れないようにしてください。それでは続いて…」

先生が黒板に文字を書き始めると、ざわめきが静かに消えていった。

普段通りの授業風景だ。

進学校ならではの静けさは、とても心地良い。

黒板にチョークの当たるカツカツとした音と、ノートにシャーペンを走らせる音。

私はそれらの音のなかで、ノートをとる。

耳を澄ませれば、遠くの音さえも聞こえてくる。

その時。

（…ん？誰か見てる？）

窓の外から妙な視線を感じ、私は先生が黒板の方を向いていることを確認してから少し身を乗り出した。

（サッカーやってる…体育の授業かな？）

その中に一人、すごく上手な男の子がいた。

（さっきこっち見てたのって、あの子だよね…？）

私は少し首を傾げて元の体勢に戻った。

（気のせいかな？）


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