星空の下、君に恋をして。
廊下に出た後、私は校内案内板を見ていた。

「うーん、どこを見に行こうかな?」

星花の吹奏楽部は特に実績を聞いたことは無いけど、ここから1番近い。

「とりあえず、行ってみよう!」

私は音楽室の方へ足を向けた。

てくてくと歩いていくと、だんだん小さな音が聞こえ始めた。

金管楽器、木管楽器、打楽器、弦楽器。

たくさんの種類の音が混ざり合う。

私は扉をノックした。

中からパタパタと走ってくる音が聞こえる。

「はい…」

「あの、見学なんですけどいいですか?」

出てきた女の子は私を見た後に目を見張って、焦ったように言った。

「あっ、あの、A組の子達は下の階の音楽室にいるのでっ、そっちに行ってください!」

「…え?」

私が目を瞬いた時には、もう扉は閉められていた。

…どういうことだろう?

言われた通りに階段を降りながら、私は首を傾げた。

何で、全員一緒にいないの?

クラスが違うから、別の場所で練習するなんて、そんなの差別なんじゃないの?

心の中でぶつぶつと呟いていると、確かに一つ下の階にもう1つ音楽室があった。

「…」

ゆっくりと手を伸ばし、とんとん、とノックすると、カチャリと音を立てて扉が開いた。
< 25 / 41 >

この作品をシェア

pagetop