三月の向日葵
*
毎日毎日、薬漬けで嫌になる。
白い箱の中、ベッドの上で天井を仰ぐ。
腕に繋がれたチューブには
休むことなく水分が送り出されている。
耳をすませば、パタパタと足音が聞こえてくる。
この世界には一体、何があるんだろう。
私の人生、とてもつまらない。
だってこんな場所に閉じ込められているんだもの。
「茉莉ちゃん、薬の時間よ」
「げっ。また?ついさっき飲んだばっかりじゃん」
「そんなことないでしょ。飲んだのは朝。今はお昼よ。
ご飯も食べたくせに。はい、飲んで」
真っ白な服を着た女の人が私を促す。
ザラザラと手のひらに乗っかった薬を眺めて、
私はべぇっと舌を出した。
こんなのいっぺんに飲んだら、吐いてしまいそう。
「それ飲んだら検査があるからね」
「ええ、検査って嫌なんだよね。
芳子ちゃん代わりに受けといてよ」
「茉莉ちゃん!」
怒った芳子ちゃんは呆れたように私の名前を呼ぶと、
はぁっとため息をついた。
あっ、紹介するね。
この人は中川芳子。私の担当看護師。
なんで担当の看護師がいるかって?
私は病気だもの。