松原君の攻略は難しい。
初めの何ヶ月間かはテキトーに過ごした。


別に松原零とも関わらなかったし。


だけど、やっぱ松原零のモテはとどまることを知らずにどんどん加速する。


そんな中、松原零に告白する人は増えて行った(らしい)。


でもことある事に色良い返事はしないと言う。


「ごめん、俺恋愛とかよくわかんないから」
って。


でも、ガツガツ行く女子は


「好きな人がいないなら、私と1回付き合ってみない?」


とか、


「私の事好きじゃなくてもいいから、付き合うだけ!!!」


とか。


バカみたい。


好きでもないのに付き合うなんて。


とりあえず松原零を自分の彼氏にして、自分の価値を上げたいだけのくせに。


でも、松原零も変わってる。


そんなにモテるのに、なんで恋愛しないんだろう。


どんなに可愛い子が告白しても、どんだけ誘惑しても


「ごめん」


の一言。


考えれば考えるほど難解だ。


まぁ、別にどうでもいいんだけど。


でも、事件はそこで起きた。


「えっとぉー、今度の生徒会選挙だが、生徒会長は決まってるが、副会長になりたい人がおらんのだが、誰かいないかー」


あぁ、そうゆうこと言われると余計やりたくなる。


きっと前の私なら即座に手を挙げた。


でも、生徒会長は松原零だ。


今回はやらないって決めたんだから。


クラスはもちろんやりたい人なんか出てこず、静まり返る。


その沈黙をやぶったのは、松原零だった。


「副会長は〜、今野さんがいいと思いまーす」


は?なにいってんの?


なんで?


クラスは、「さんせーい」とか、「もうそれでいいじゃーん」って感じ。


先生も期待の眼差しだ。


あぁ、なんでこんなことに!?


断りたい。


やりませんって。


でも、クラスも賛成していて、先生が期待してる中で断ったらどうだろうか。


悪い印象しかない。


「っ〜〜〜…や、やります。」


そう言った瞬間、拍手喝采。


松原零も満足げに私を見てる。


覚えてろよ!松原零!!
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