放課後の物理室
私はその後も、物化で良い点数を取るためにがむしゃらに頑張った。

そして、試験当日の朝。
私は松葉杖であるため、みんなとは別にエレベーターで一階に降りてみんなとは違うルートで礼拝堂に行く。エレベーターを降りると、舟木先生が前の方を歩いていた。私の松葉杖の音で舟木先生は振り向いた。
「山本か!後ろからカッチャンカッチャン聞こえるから怖かったわ」
「えへへ」
「あとどのくらいで治るの?」
「早ければ来週ギプス取れます」
「ふーん。今日の物化の試験はどうですか?」
「そんなの知りませんよ!!」
「山本には期待してるからな?」
「なんでですか⁉︎」
「だって山本、毎回質問来てくれるし。教えたこと、時間はかかるけどちゃんと飲み込んでくれるし。なんて言うんだろう、、。山本の努力と点数がちゃんと比例してるから教え甲斐があるって言うか、、、」
「ちょっとやめてください、照れます。」

本当は照れてるんじゃない、もうこれ以上聞くと胸が苦しいの。その日の礼拝は、舟木先生の隣で捧げた。
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