輪舞曲-黒と白のcaprice-

「挑発か…?ならば本当に甘くみられてしまっているようだな」

小さく呟いて、銃撃の雨を避けながら愛銃に万全の体勢で臨戦に応じれるように弾丸を積める。そして負けじと、駆け抜ける少女の足元を狙っての発砲。
ここで動きを停止させなければ…臨戦は苦しいものになるであろう。狙うは少女の下半身。

「(動き出せぬよう…足元の可動部分か関節部分に撃ち込んで動作を制止させなければ)」

作戦を練ればあとは遂行するのみ。走り来る少女の足首を狙い先ずは第1発。
パン!手応えを感じながら小さく唸る呻き声を認知して、続いて第2発。今度は肩の関節を狙い発砲、貫通の手応え。
それでも止まる事のない少女の動きに、もう一度弾丸を撃ち込む。

「(直に終わる。ここまで来れば後は崩れ堕ちるのも時間の問…)」

「下らない小細工ばっかりしてんじゃないわよ!」

「!?」

突如聞こえた少女の怒声。振り向く間もなく投げ込まれた小型の卵型の固形物。

「(…なに!?しまった!発光弾か!)」

気付いた頃には遅く、それは軽快な音をさせながら白くそして黄色に色変わりを見せて破裂していく。

「…ちっ。目眩ましか!」
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