俺はまだ君の名前を知らない
『うさ子、何処に行きたい?』
『遊園地!!』
『分かった。じゃあ、近くて混んでなさそうな所調べるから』
『うん!ありがとうっ!』
(取り敢えず、紅夜には、お遊びでも良いから、俺と遊んだり、デート的な何かをすれば、俺に慣れる。すると、男に慣れる…とか言う事を言われたけどな…
具体的な例がないから大変なんだよなぁ…
でも、うさ子は放置したら、何をしでかすか、何をされるか…分かったもんじゃないしなぁ…
迂闊に放置できない…
うさ子を男慣れさせる教育…まぁ、取り敢えず今日は一回目だ。
お試しだ)
と、思いながらもうさ子の話に返事をする。
『ねぇ!ねぇ!』
と、話すうさ子と遊園地の最寄り駅まで行くために、電車に乗る。
そこでふと、気付いてしまった…
(あれ、これ、もしかして…
俺、男と言うより、これじゃあ、親じゃないか?
お父さんが一人っ子の娘とお出掛け。
親子のお出掛け。
実年齢はどうあれ、二人の精神年齢を考えると…そうなる…
これ、うさ子の勉強に成るのか…?
でも、紅夜の言い方的に、本当にこーゆー事で頼れるのは、俺しか居ないみたいだしな…
少しでも、親子じゃなくなれるように頑張るか…)
と、思いながら、俺は、電車に揺られるのだった
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