いじめ ー昨日までの友達ー
私は、1人体育館裏で凛に叩かれた右手を見つめながら立ち尽くしていた。
ポタ ポタ
突然右手に水滴が落ちてきた。
雨でも降ったのかと、顔を上げて空を見たが空は晴れていて雨なんて降っていなかった。
おかしいなと思いまた顔を下げると水滴が落ちてきた。
え?もしかして・・・。

自分の左目に手をそっと触れる。
目からは、涙が出ていた。
水滴は雨じゃなくて、私が泣いていたんだ。
私は、壁に背中を突いて下を向きながら泣いた。
どうして涙が出てきたのかわからない。
でも、自然に出てきたんだ。
「ッ!ウウッ凛・・・どうしたら信じてくれるの?・・・また、凛と楽しく過ごしたいよッ!二人で笑いたいよぉぉ!!」


そういえば、昔誰かが言っていたっけ?
いや・・・本で読んだんだっけ?
<人を裏切るのは簡単だけど、信じてもらうのは難しい>
って。
アハハ。本当・・・そのとうりだよ。




しばらく泣いた後、水道で顔を洗って教室へ戻った。
時間は、休み時間。
廊下が生徒達でザワザワとにぎわっている。
教室の前へ着くと、いつもは開いているのに扉が閉まっていた。
スゥーハァーと一つ深呼吸をして、教室の扉を開ける。


バシャァァン
「え?」
何が起こったのかわからなかった。
自分の今の状況知るのに時間がかかった。
私は、扉にはさまれていたバケツの水をモロにかぶったんだ。
おかげで全身ビショヌレ。
クラスからは、いたるところから笑い声が溢れている。
< 25 / 34 >

この作品をシェア

pagetop