愛じゃなくても恋じゃなくても(仮)
「いらっしゃいませー!」
額の汗を拭きながら店の入り口を見ると、息を切らして走ってきたお客様が。
いや、違う。

美月だ。

「美月、いきなりどうした?」
「優斗!」
俺の顔を見るなり泣き出す美月。
周りのお客様もびっくりしている。
「ゆーちゃん、ちょっと休憩いっといでやー。そんで美月ちゃん、腹は減っとるかー?」
タケピー店長が優しい声をかけてくれる。
美月は泣きながら、
「ありがとうございます。ちょっとお邪魔させてください。」
と、事務所兼休憩室に入っていった。
「タケピー店長、すみませんいつも。ちょっと休憩いただきます。」
申し訳ないと思いつつも、俺は美月の後を追った。
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