先輩が大好きでした。

え…？人…
人がいる‥‥。
誰もいないと思ってたんだけど‥。
「あー…えっと、驚かせちゃったか？」

そこにいたのは、背が高くて見惚れてしまうほどかっこいい男の人だった。
「あ…あの‥‥。」
「……」
「…えっと…。」

「…名前は？」
沈黙を破ったのは私に声をかけてきた彼だった。


私はキリッと睨んで、
「…自分から言うのが礼儀ってものでしょう。」
と言った。



「…。」

怒らせちゃった…？

「…俺は３年Ｅ組の、壮真彼方。」

「…。」

「…お前は？」


これ以上空気を悪くしたくない。先輩だったから後で何かされたら怖い…
ここは潔く名前と学年を話しておくべきだな。

「…２年Ｅ組の夜桜楓花。」

「…２年生なんだ。ふぅん…。よろしくな　“後輩の地味メガネちゃん”　」

じっ地味眼鏡…⁈
「…よろしくお願いしますね。　壮真…センパイ？」


出会いなんて最悪だった。