先輩が大好きでした。

あの後、成瀬先輩と朝日先輩は十字路で別れてしまった。
そのため壮真先輩と私が一緒に帰るという状況が出来上がった。
…というわけだ。




「なぁ…地味メガネ。」
この人はまた人のことを…。
「私の名前、地味メガネじゃないですって。何度言ったら分かるんですか。」
「事実じゃん？」
「うるさいです。」
「俺、一応“先輩”なんだけど。」


忘れてました…。
「そうでしたね。あ、私の家、こっちなので。」
やっと‥この悪魔みたいな先輩から解放される…！

「そうか。じゃぁな。地味メガネ…夜桜楓花。」

‥‥名前…ちゃんと呼んでくれた…？
「壮真…先輩…。」
先輩達と顔を合わせるのは今日だけだから！あんなサイッテーな人とはもう…何の関係も無いんだ…。



何…で？

胸の奥がキュッと締め付けられて…苦しくなった気がする。

どうして…なの？