いつでもきみのそばに


わたしは震える手で制服を直すとまだ授業中だったから教室には戻らずにそのまま学校を飛び出した。


自然と怖くなかった。


これから死のうとしてるのに、死んだ方が楽になれると思ったからか。


――ドン  


体に衝撃が走って宙に舞った。



そのときに見えたのはわたしを轢いた赤い車と、まわりにいた驚いたひとたちの顔と、ここにいるはずのない大ちゃんの姿だった。



わたしの意識はそこで途切れた。



< 128 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop