いつでもきみのそばに
*
「わたしね、あのとき大ちゃんの姿がみえたときに後悔したの。ああ、やっぱり死にたくないって。大ちゃん、どうしてあのときあそこにいたの?」
「あの日、授業中に舞が廊下を走ってくのがみえたんだ。それで気づいたら追いかけてた」
「そっか」
「ごめん、舞。本当にごめん。俺何も気づいてあげられなかった」
「仕方ないよ。わたしもなにもいわなかったし。大ちゃんのせいじゃない」
「仕方なくない。だって、あんなに一緒にいたのに。舞のこと一番近くでみてたのに」
俺はあのときサッカーが一番だった。
レギュラーにもなれて、楽しくて。
でもそのせいで舞が苦しんでることに気づけなかった。
もっとちゃんと見ていたら舞がおかしいことに気づけたはずなのに。
会う時俺はいつもサッカーの話ばっかりで。
舞の話なんてほとんど聞いてあげてなかった。