いつでもきみのそばに


「わたしね、大ちゃんだけが心残りだったの」


「え?」


「きっと大ちゃんはいずれ全部を知って、そしたら自分を責めるんだろうなって。でもそんなことしてほしくなかった。大ちゃんには前をみて生きててほしかったの」


「舞・・」


「信じてもらえないかもしれないけどね、あのあと病院に運ばれて生死をさまよってるときに死神?っていっていいのかな?に会ったんだ。

それでね、3年間の猶予をもらったの。でもそれは生身の人間として生き返れるわけじゃなくて、単純に幽霊として」


「幽霊・・」


「そう、だからねわたしずっと大ちゃんのそばにいたんだ。気味が悪いかもしれないけど、わたしが死んでからもずっと。でもあれからの大ちゃんは見ていられなかった。」


当たり前かもしれないけれど、全然知らなかった。

あれからもずっとそばにいてくれたなんて。

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