いつでもきみのそばに
「あのときもそばにいたんだ。大ちゃんの気持ち、すごく嬉しかった。でもね、大ちゃんにこんなことをさせちゃった自分がどうしようもなく情けなかったの」
「舞・・」
「あのとき何回もとめようとした。大ちゃんの手をとってもう殴らないでって。でも、わたしの手は大ちゃんの体をすり抜けて。つかむことができなくて」
「ごめん」
「違うの、いいの。でも、わたしの声が届くことはなくて、大ちゃんに触れることができなくて。死んじゃったから当たり前なのにね」
それがどんなにつらいことなのか。
俺には想像しようと思っても簡単にできることじゃなかった。