いつでもきみのそばに


気づいたら俺は一段高い段差をあがっていた。


なんではじめからこうしなかったんだろう。

3年前に舞が死んでしまったときからこうすればよかったのに。

どこかで死ぬことが怖いと思っていた。

でも今は違う。舞と一緒にいれるなら俺は死んでもかまわない。


肩の力が抜けて一歩前に踏み出そうとしたとき


「大輔!!」


ガタンと扉の閉まる音と一緒に光の叫ぶ声がきこえた。


「とめないでくれ」


俺は後ろを振り返ることなくそう口にした。

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