生まれたときから恋人です?-六花の恋-【完】
あの日の続き① side咲雪
「まさか同じ日に生まれるとは思ってなかったわ」
「なゆー、未来の旦那様だよ~」
「こ、小雪さんっ。いくらなんでも早すぎるよっ」
「なんだ、兄さん。うちはいつでも菜雪(なゆき)を景(けい)の嫁にもらう準備は出来てるぞ?」
「生後二週間で何言ってんだお前はっ!」
賑やかなのは、私と晃くん、両方の両親だ。
再婚したお母さんとお父さんたちに子どもが生まれたんだ。
お母さんとお父さんの間に、私の妹、奏子さんと光司お父さんの間に、晃くんの弟が。
同じ日に生まれた二人は、血縁上も従兄妹になるわけだ。
そして……。
「由羽(ゆう)、仲良く出来るかな?」
晃くんの腕の中で眠る由羽の頬をつつく。
結婚した私と晃くんの間にも、二人より少しだけ先に息子を授かっていた。
「自分より年下の叔父と叔母ってどうなのかしらね?」
「ややこしいからいとこで通しちゃっていいんじゃない?」
そんなことを話す私たちの両親。
私の隣の晃くんは、今日も穏やかに微笑んでいる。
そして二年後、もう一人、娘、羽咲(うさ)を授かった。
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