生まれたときから恋人です?-六花の恋-【完】
あの日の続き② side咲雪
「なゆはほんとさゆに似てるな」
「だって私の妹ですから」
なゆと景のやり取りを見て、晃くんが軽く息をついていた。
高校生の頃の私の台詞と、なゆの言葉はどこか似ているかもしれない。
お母さんやお父さんたちは、なゆと景が一緒になる未来を夢見ていただろう。
でも、私も晃くんも、なんとなく気づいていた。景はなゆのことを女の子として大事にしているけど、なゆは景に対してそれがない、って。
でも、なゆが言った通りだったんだろう。
なゆの中で景の存在は特別過ぎて、好きって感情を簡単に名付けられなかった。
好きって感情を越えちゃっていたのかもしれない。
生まれたときから、存在が近すぎたのかもね。
それでも、こうして二人が恋人になって、未来を描いて。
なんか、私まで晃くんのことをもっと好きだなって思っちゃうな。
……そんな私と晃くんのたからものたちは、どんな未来を描くのかな?
楽しみだね、晃くん。
END.