桜の木の下で
花火大会、当日。

佐藤先輩の家に待ち合わせ時間より
早く来てと言われた。

佐藤先輩は、実家で暮らしている。
ほとんど彼氏さんの家に帰るので
久しぶりの実家だと言っていた。

｢やっぱり浴衣で行かないとねっ｣
｢私、浴衣持ってないですよ｣
｢母が今、着付けにハマってて
浴衣が何着かあるから平気よ｣

ニッコリ笑う佐藤先輩は、本当に綺麗だ。

2人共着付けをしてもらい、
彼氏さん達との待ち合わせ場所に向かった。

佐藤先輩は、藍色で薔薇の模様があるシックな浴衣。
私は、薄紫色で牡丹の模様がある可愛らしい浴衣。

｢葉月ちゃん、似合う～｣
｢佐藤先輩の方が魅力的で、ほら皆が注目してますよ｣
｢そんなことないよ～。葉月ちゃんが可愛いからだよ｣

佐藤先輩は、ちょっと照れながら笑った。
可愛い～。女の私でも惚れる～。
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