双星の煌めきは月夜に魅せられて
「わあ……!」
この光景をどう表現すればいいんだろう。
そして今感じてるものは興奮というものなんだろうか。
眩しいくらいに輝くバイクのヘッドライト。
それも全部一緒じゃなくて、黄色帯びたライト、青白く光るものまであって、統一感が無いのもそれもまた綺麗に思えてきて。
それが夜に輝くとなると、これも月の灯火のように思えてくる。
……そうか、これが圧巻されるということなのか。
呆然として、美しい景色に目を奪われて。
「どうだ?すげーだろ?」
「うんっ!」
暴走は犯罪だからと言われたらそこまでだけど、こんなにもウキウキするものなんだ。
優生も考えてることは一緒なのか、楽しそうな表情をして目の前の光景に目を奪われていた。
「……やっと笑ったな」
「え?」
優生はこちらを向いて目を見開くも、すぐに優しく目を細めた。