双星の煌めきは月夜に魅せられて


私は逆に優生の言葉に耳を疑う。


やっと笑ったってどうゆうこと?


まるで私がずっと笑っていなかったと言ってるような口ぶりだ。


桜蘭と一緒の時は常に笑っていたはず、愛想笑いでもないし、ちゃんと心からの笑みのはずだ。



「お前の笑顔はなんだろうな、違うんだよ」



優生も言いたいことが上手くまとまらないようだ。


その違う意味を知りたいんだけど、分かるはずもなく黙り込む。



「あ、服部月那が笑った」



優生がパッと思いついたように発したが、私の理解力が足りずに首を傾げる。



「うん、それだ」



しかも心なしかそれを言えて満足している。


いやいやいや、置いてけぼりなんですけど。



「客観的と主観的ってあるだろ?」


「うん、まあ……」



とても有名的な対義語だけど、なぜ急に?

< 102 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop