双星の煌めきは月夜に魅せられて


車のサイドの窓に光希が映り込む。


窓を開ければ切羽詰まった表情をしていた。



「光希……?」


「優生!!サツが追ってる!迂回しよう〜!」


「おう、了解」



その言葉と共に色とりどりのバイクが散ってしまい、後ろからはパトカーのサイレンが聞こえる。


……これってヤバくない?



「月那、弱くないか?」


「……酔ったりはしないわ」


「ナイス、行くぞ」


「ウッス。優生さん!」



今までのも結構荒い運転だったが、これを体験すればよっぽど安全運転だったことを思い知らされる。



「しっかり押さえろよ!」


「ちょっと待って!めっちゃ揺れる!」



運転席の背を力強く掴んでるのに、吹き飛ばされそう。


まるでジェットコースターに乗っている感覚に陥るんだけど……!



「きゃー!」

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