双星の煌めきは月夜に魅せられて


まだ後ろからサイレン音が聞こえてくる。


これはそろそろ大変じゃない……!


私はふと前を見ると、知ってる道を走っているようで、バイクは見えなかった。



「これって大丈夫なの……!?」


「桜蘭を舐めんなよ」



さらに加速する車。


確かに段々と遠ざかってるし、この速さなら切り抜けれるかもしれない……!


そう期待した時だった。



「……?」



運転手が左へ曲がるウィンカーを出した。


しかし、左曲がった先は行き止まりのはずだ。


この状況だと右に出た方が道が複雑になるから警察を追いかけにくくなる。



「右に曲がって」



今回だけよ。


警察に差し出したい気持ちは山々だけど、まだ情報の質が低いから上げていかないと。


警察の取り締まりを受けてもおそらく三村胡桃については何も知らないから吐けない。

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