双星の煌めきは月夜に魅せられて
まだ捕まってもいいレベルまで辿り着いてない。
それに……いい景色を見せてくれたお礼よ。
「どういうことっすか……?」
「時間ないから、左じゃなくて右に曲がって」
「わ、分かりました……!」
あたふたしながらもウィンカーを右に出し直した運転手に私は安堵する。
隣の優生はどういうことか未だによく分からないようだ。
そして右に曲がった私の車。
そしたらすぐに新たに別れ道が見えた。
運転手はそれに右のウィンカーを出した。
「右ってもう一回同じ道に行きたいの?」
「すみません……!」
「ここは真っ直ぐ、そんで2つ目のところで左」
「ラジャです!」
すっかり彼は萎縮してしまい、なんだか小さく見えてしまった。