双星の煌めきは月夜に魅せられて
「お前、この辺詳しいのか?」
「多少はね。ここはナビするから任せて」
地形くらい把握してるわ、当たり前でしょ?
あなた達を捕まえるのに手を抜くなんて考えられない。
そうしてしばらくすればパトカーの姿は見えなくてなり、無事に撒き散らせた。
「なんとかなりましたね!ありがとうございます月那さん!」
「倉庫まで時間かからないから、徐行してね」
「うっす!」
車が減速して、ようやく正常な頭に戻った。
そうだよ、これこそ車に乗るっていう感覚。
「……すげえな」
「脳を使うのが得意なの。喧嘩はできないけどこのくらいならどうってことないわよ」
「そっか」
思考回路が正常に戻って、私はふとあることを思い出した。
そうだ、優生に聞きたいことがあったんだよ。