双星の煌めきは月夜に魅せられて


「……そうだ。お前頭良いだろ?」


「それがどうしたのよ?」



照れ顔はどこへ行ったのやら、すぐに真剣な顔に戻った優生。


頭の良さで前置きしたっていうことなら、私に何か意見とか求めるつもりなのかな。



「否定しろよせめて」


「偏差値の高い進学校で学年1位なんだから、否定しても嫌味でしょ?」


「お前、そんな性格だっけ?」


「客観的に考えたら、変に謙遜するよりはよっぽど良いでしょう?」


「面白い奴だな。まあいい、ちょっと相談があるんだ。聞いてくれないか?」



自分でも自覚してることなのに、わざわざ謙遜してたら女子に関しては敵を作ってしまう。


別に作っても構わないけど、学校は集団行動を求められる場所だ。


みんな一緒じゃないと上手くいけないのが学校の掟でもあるのだ。


めんどくさいけど、孤立されないためには過度の謙遜も良くないということだ。


さっきまでエレナの話だからきっとエレナの話で間違いないはずだ。

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