双星の煌めきは月夜に魅せられて


優生とエレナが心を開きあったとしても、彼女の秘密は国を抱える爆弾と言っても過言ではない。


暴走を嬉々してやるという一面もあるけど、今こうして大真面目に恋愛に向き合う姿を見ると、心配だ。


クスリをやってると、更には有名な極悪暴力団組長の娘だと知ったら……彼は裏切られたと思ってもおかしくはない。



そして優生はそれを知ってどう行動するのだろう。



彼女の秘密を守る?違う誰かに相談する?


それとも別れを選ぶ……?



「そうだな、もう少し素直になってみる。参考になったよ」


「何かあったらまたいつでも言いなさいよ。
手助けくらいはしてあげる」


「仮にも総長なのに、その態度って……やっぱお前変わった奴だな」


「それはどうもありがとう」



倉庫が見えたので、お礼を言って話を切り上げることにして車から降りた。



優生の性格はだいぶ見えてきたけど、全部じゃないのは定か。


彼を支えられるように、傷ついた顔をさせないように、こちらからも距離を詰めていくか。



数時間ぶりの倉庫に入ったら、朔夜を含めた総勢が集まっていた。

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