双星の煌めきは月夜に魅せられて
だから色々トラブルが生じるのは承知だけど、なずなの制服から覗く白い肌が痛いほど赤く腫れていたり、痣ができていた。
当の本人は気にしないようにしているのか、いつも通り天使の微笑みをしている。
なずな、何があったの……?
朔夜と声を合わせるところあたり双子らしさが滲み出ている。
「えへへっ、ちょっとやっちゃって……」
「いやいや、ちょっとで済むレベルじゃないよ!?」
「月那ちゃん、声大きい!」
「あ、ごめん……」
思わず大きな声を出してしまったが、なずなの傷は見るだけでも痛々しい。
やはり、何かあったんだろう。
姫をやっている以上、おそらく暴走族関連でのことだと思うけど。
「ここでは話せないだろうから、昼休み聞かせて」
「……うん」
ここは高校。ましてや進学校だ。
こんな天使が暴走族の姫だと知れば学校中が大騒ぎになってしまうから、私たちだけの秘密なんだ。
授業をサボることも許されないこの学校だから尚のことだ。