双星の煌めきは月夜に魅せられて


「どんな形であれ、三村胡桃がやめたいって意思表示をしたんだから」


「……」


「なずなのこととか色々あるかもしれないけど、朔夜が三村胡桃に接触した方が早く逮捕できるわ」



俺の対応が間違っているというのは伝わった。


そして俺が何をすべきかも。



「勘違いしないで。可哀想だからこういうことをしてるわけじゃないの」



月那のおかげで再認識できた。



「……部屋に戻る」


「うん、おやすみ。寝坊しないでよ」



月那は俺が何をするのかお見通しのようだ。


笑顔で見送る月那を背中に俺は自室に入った。


スマートフォンを取り出し、ベッドに寝っ転がってインターネットを開いた。



"社会的制裁はもう時代遅れ"


開いたサイトにはそう書いてあった。

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