双星の煌めきは月夜に魅せられて


「ヤッホー!来たよ!」



ドアの開く音がして、顔を覗かせたのはエレナだった。



「エレナ!今日来れないんじゃなかったの?」


「ちょっと訳あって暇になったから来たんだ!」


「エレナこっちに来なよ〜」



エレナとは暴走以来初めて会う。


いくら向こうが犯罪行為をしたとしても、態度とか色々俺も悪かったところもあったし、ちゃんと謝ろう。


そう思い立ち上がったが、俺に気づいたエレナは気まずそうに顔を背け、そのまま光希の隣に座った。



……やっぱそうなるよな。



「エレナさん、なんか飲み物いります?」


「あ、じゃあ……水でいいや」


「わかりました」



俺は逃げ出すように一旦幹部室を後にした。



……流石に無理あるって月那。


そんなに仲良くないのに大きな取引の日にちを聞き出せって……俺はそこまでコミュ力無いんだけど。

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