双星の煌めきは月夜に魅せられて
ここからどう切り出せばいいのやら。
邪念を取り払うように、コップを取って水道の水を注いでいると、後ろから足音が聞こえた。
「朔夜くん」
「エレナさん?」
正体はエレナで、予期できないことに一瞬冷や汗をかいてしまう。
なんて話せばいいのやら……。
「「……」」
エレナのは明るくて気さくで、今みたいに黙っているような人じゃない。
それが余計に沈黙の要素となってしまい、俺はただ口を閉ざしただけだった。
「あのさ……あのね」
かなりの緊張か、なかなか話を切り出さないエレナ。
しばらくはこの状態だったので、何の話かわかってるこちらは段々もどかしくなっていく。
ああ、もう!
「誰にも言うつもりはないから!」
「え……」