双星の煌めきは月夜に魅せられて

「そういえば、朔夜くんとなずなは同じ学校だったわね」



苦笑しながら言ったエレナは、どこか柔らかい雰囲気があったが、次第に迷う表情を浮かべた。


言いにくい理由でもあるのか?


でも不穏な空気ではなかったので、なずなを恨んでの行動ではなかったのはなんとなく読み取れた。



「……巻き込まないためよ」


「どういうことだ?」


「なずなは良い子なの。暴走族……ましてや私がいる世界にいちゃいけない子なの」



それはもちろんだ、最初は月那と一緒に猛反対したんだから。


あんな心優しい天使は暴走族の世界に入ってはいけない。


それはよく分かるけど、だからといって……



「だったらいくらなんでも殴らせたりするのはやり過ぎだろ!?」


「だけどそれ以上に……この世界から出て欲しかった!!」



一体これから何が起こるんだろう。


三村胡桃の父親……谷口組組長は何を考えてこの桜蘭を選んだんだ?

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